209:名無しNIPPER[saga]
2020/05/09(土) 21:00:40.21 ID:GVB5f6680
頬を突っつかれて、加蓮はまた両手を挙げました。
「私ね、卯月になりたかったんだと思う」
「……卯月?」
「卯月みたいな娘、かな。正確には」
「意外。加蓮が卯月推してるのは知ってたけど」
「昔から漠然とアイドルには憧れててさ。
最初は、ほら、アイドルってだいたい健康そうじゃない?
私にとっての『元気』の象徴がアイドルで、だからなりたかったんだと思う」
加蓮は理詰めで物事を俯瞰できる娘でした。
その能力こそがアイドル北条加蓮の武器なのだと、彼女はまだ気付いてはいませんが。
「でも違った。卯月ってさ、ほら、練習量すごいでしょ」
「ま、ね。加蓮とはまた別の意味で、純粋に量こなすよね」
少し目を離した隙に、この前替えたばかりのシューズをボロボロにしている。
それが加蓮と美嘉、二人のよく知るアイドル島村卯月でした。
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