もしもし、そこの加蓮さん。
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186:名無しNIPPER[saga]
2020/05/09(土) 12:09:26.71 ID:GVB5f6680

ひょいと乗ってみせた凛に奈緒は軽く引いていました。
譲るように凛が場所を開け、不敵な視線で加蓮を挑発します。

 「どうぞ」

 「……どうも」

首を伸ばしてガラスの下を覗き込みます。
ほとんど胡麻粒にしか見えない点が、あちこちへ行き交っていました。
落ちれば命は無い高さですが、落ちる事はありません。


そう、落ちる事は無いのです。
強化硬質耐熱ガラスは一トンを超える荷重にも余裕を保って耐え得る計算ですから。

ただ、そこは人の性。
もしかしたらという可能性がコンマ一パーセントでも残っている限り、判断には鈍りが生じます。


ですが、臆する事もありません。
加蓮たちシンデレラにとって、ガラスはいつだって味方です。

加蓮は自分に六回ほどそう言い聞かせ、
エナメルシューズに包まれた右足をそっとガラスに乗せました。
続いて一歩、もう一歩。

 「……ふふん」

 「おー」

勝ち誇った顔でガラスの上に立つ加蓮へ、二人は小さく拍手を贈りました。

ピースを作りながら写真を要求され、
ポケットから携帯電話を取り出したところで奈緒が気付きます。


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