久城一弥「据え膳?」ヴィクトリカ「喰わぬは男の恥なのだろう?」
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9:名無しNIPPER[sage saga]
2020/04/16(木) 23:47:40.40 ID:91TsAL8vO
「フハハハハハハハハハハハハッ!!!!」
「か、一弥あああああああああっ!?!!」

猛烈な勢力の嵐が吹き荒れる。
愉悦を含んだ、哄笑という名の、嵐。
その凄まじさにヴィクトリカの悲痛な叫び声がかき消され、一弥の耳には届かない。

何故だろう。
全然、ちっとも、笑い事ではないのに。
それでも、『嗤い事』としては成立する。

ヴィクトリカがおしっこを漏らした。
恐らくご自慢の『知恵の泉』から流れ出た。
そう考えると、おかしくて堪らなかった。

「ぐすんっ……一弥ぁ……私をひとりにするな」

ああ、ヴィクトリカ。
僕のかわいい、ヴィクトリカ。
君はどうして泣いているんだい?
ほら、嗤って。僕と同じように。
共に愉悦の淵に身投げしよう。

フハッ!

フハハハハハハハハハハハハハハッ!!!!

「一弥! 帰ってこい!! 私のもとへ!!」

目が覚めた。ここは、僕の居場所じゃない。

「ヴィクトリカ……?」
「ああ、一弥……よかった。また会えた」
「ごめん……ヴィクトリカ」
「もうどこにも行くな! 私のそばにいろ!」
「うん……ひとまずシーツを洗濯したらね」
「ばかっ……好き」

その晩、ヴィクトリカは世界地図を描いた。
ハートの形をしたその地図は乾いて消えて。
たしかな愛だけが、僕たちの間に芽生えた。


【GOSICK ーー知恵の泉が大洪水の巻ーー】


FIN


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