3: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2020/04/13(月) 20:20:28.67 ID:9ZfmECmt0
凛「担当していたアイドルと結婚なんて、責任感の強いプロデューサーには選べないよね? それを避けるためにはちゃんと結婚相手を見つけないと」
武内P「……冗談ですよね?」
凛「冗談? 私がプロデューサーの将来を心配しているのも、そのために危機感をもってもらおうとしているのも、全部本気だけど」
武内P「いや、しかし。そのために自分の結婚を条件に……それも罰のように設定するのは、タチの悪い冗談にしか思えません」
凛「でもこれぐらいしないとプロデューサーは危機感をもってくれそうにないから。さ、約束して」
武内P「約束……ですか?」
凛「うん。5年たっても結婚相手がいなかったら、私と結婚するって。もし約束してくれたら私もプロデューサーが本気で結婚相手を見つけてくれるって安心できるから」
武内P(……もともと結婚相手は近いうちに見つけなければならないと思っていました。何より――私の身を案じてくれているのは本当なのでしょうが、仮に5年後の私に相手がいない場合に自分が結婚するというのはいくらなんでも本気ではないでしょう)
武内P(そもそもこの約束を5年後も覚えているとは思えませんし、私も5年後に持ち出したりしません。それならばここで約束をして、渋谷さんに安心してもらっても特に問題は無いでしょう)
武内P「わかりました。5年後の私に結婚相手がいない場合は、渋谷さんに結婚してもらうことにします。そしてそうならないように、今から努力することを約束します」
凛「うん。そうならないように努力することは信じているけど、5年後のプロデューサーに結婚相手がいなかったら私と結婚してもらうから」
武内P「……何だか、妙な約束ですね」
凛「フフッ。面白い約束だよね。でも、約束は約束だから」
ドア<コンコン
武内P「はい、どうぞ」
AD「すいませーん。撮影の準備があと10分ぐらいで整いそうです」
武内P「わかりました。もう少ししたらうかがいます」
AD「遅れてしまい申し訳ありませんでした。よろしくお願いいたします!」
武内P「いえ、お気になさらず。それでは渋谷さん?」
凛「うん。準備はバッチリ。気がかりだった件も解決できたしね。行ってきます!」
武内P(こうして私と渋谷さんは約束しました。とはいっても5年という月日は毎日を一生懸命に駆け抜ける渋谷さんにはあまりに遠い日のことで、きっと忘れてしまうことでしょう)
武内P(私はというと、あまりに衝撃的な約束なので5年たっても覚えているでしょうが……それはもはや約束ではなく、思い出と呼ばれるものです)
武内P(そして5年といわず10年、あるいは20年はたった頃、こんな話をしたことがあったと二人で語り合うことができれば――)
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