2: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2020/04/13(月) 20:19:40.14 ID:9ZfmECmt0
凛「だったらちゃんと幸せになるためにも、もう少し焦ってよ。私……ううん、私だけじゃない。そのうち私たち全員で心配することになる」
武内P「渋谷さん……?」
凛「こんなこと考えてるのは今は私だけだろうけど……もし今から十年たって、それでもプロデューサーに奥さんも彼女もいなかったら私たちどう考えると思う?」
凛「私たちシンデレラプロジェクトのメンバーは、プロデューサーが一生懸命プロデュースしてくれたおかげできっと幸せになってる。中には結婚して、子どもが生まれている娘だっているかもしれない。それなのに私たちの面倒を見てくれた肝心のプロデューサーが、もう四十歳ぐらいになるのに隣に誰もいなかったら、私たちは悲しいし……何より申し訳ないと思うよ」
凛「ああ、私たちに付きっきりだったせいでプロデューサーは婚期を逃したんだ。私たちはプロデューサーが一人で寂しい想いをしているのに、自分たちだけ幸せになってしまったんだって……」
武内P「そ、それは大げさです! 私は皆さんが幸せになると信じていますが、それは私のおかげではなく本人の努力と私以外の助力によるモノがほとんどのはずです」
凛「一番多感な時期に、考えもしなかった生き方を与えてくれて、一緒に進んでくれた人の影響って――小さくは無いと思うよ。少なくともプロデューサーがあまり幸せとは言えない状況にあるのを見て何とも思わない冷たい娘は、うちには一人もいないから」
武内P「それは……そうかもしれませんが」
凛「あ、それにね。プロデューサーが幸せなら私たち全員が嬉しいことだけは間違いないから、私たちのためにも幸せになってよ」
武内P(考えすぎだとは思いますが……十年後、そうなってしまう可能性は確かにあります)
武内P(皆さんに不要な心配をかけないためにも、結婚を前提とした相手を見つけるという理屈はわかりますが……正直、そのための余裕が無いのが現状です)
凛「……もしかしてプロデューサー。自分と似たような立場のまゆPが近くにいるから、あまり危機感をもてなかったりする?」
武内P「え……? そうですね。考えたことはありませんでしたが、同期のまゆPも独身で彼女がいないことに、どこか安心していたかもしれません」
凛「もう、ダメだよプロデューサー。まゆPは独身で彼女もいないけど、結婚相手は決まっているも同然なんだから。プロデューサーと同じ条件なんかじゃないよ」
武内P「……念のために確認しますが、まゆPの決まっているも同然の結婚相手とはどなたでしょうか?」
凛「まゆ」
武内P「……彼は担当しているアイドル、そのうえ未成年である佐久間さんとは決してそのような関係にはなりません」
凛「うん。未成年に対する大人として、アイドルに対するプロデューサーとして、まゆPは立派だと思うよ。けどね、プロデューサー?」
凛「本心ではまゆのことを愛しているのに、あのまゆから逃げられると少しでも思う?」
武内P「あの……その……彼も、がんばっているんです」
凛「……うん。普通ならとっくに我慢できなくて手を出しているよね。やっぱりこれって、大人として、プロデューサーとしての責任感が強いから――あっ」
武内P「渋谷さん……?」
凛「そっか……うん、良い事思いついた。プロデューサーもまゆPに負けず劣らず責任感は強いよね?」
武内P「……彼のあの、絶望的な戦いに毎日身を投げる責任感には劣りますが、強い方だと思います」
凛「私はいい勝負だと思うけど……まあそれはともかく、プロデューサーに結婚への危機感を強くもってもらう方法が思いついたよ」
武内P「それは何でしょうか?」
凛「5年後、私が20歳になってもプロデューサーに相手がいなかったら、私と結婚しよう」
武内P「――――――――――渋谷さん?」
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