佐藤和真「こいよ、ゴブリンの王。俺が相手だ!」
↓ 1- 覧 板 20
6:名無しNIPPER[sage saga]
2020/04/08(水) 01:39:42.01 ID:/F2ygRZ3O
「なんだ、この穴蔵!」
「まるでダンジョンね」
入口が小さいからと甘くみていたが、穴の中は複雑に入り組んでおり、どこまでも坑道が続いていて闇雲に進むのは危険だ。
「アクア、お前マッピング出来るか?」
「やだもうカズマさんったら、マッパのピングーなんてこんな時になに言ってんのよ」
なに言ってんのかわからないのはお前だ。
「たぶん、この道はさっきも通った」
「え? そんなことないと思うケド……」
「見ろ。お前の髪の毛が落ちている」
「たしかに。この長く美しい蒼髪から迸る神々しさはまさに水の女神たる私の髪だわ」
気づかれないように女神の髪を抜いといて良かった。危うく完全に迷うところだった。
「この先の分岐でさっきとは逆を選ぼう。そしてまた分岐に当たったら、またお前の髪を引っこ抜いて地面に落として目印にするぞ」
「待ってカズマ。いま、またって言った?」
「言ってない」
「絶対言った! そもそも女神の髪を引っこ抜くなんてバチ当たりもいいとこよ!」
「仕方ないだろう。ケチケチすんなよ」
「このまま分岐路のたびに髪を引っこ抜かれたらさすがの私もカズマさんみたくハゲちゃうでしょ!? 女神なのにハゲたりなんかしたら、間違いなくエリスに笑われるわ!!」
「知らねーよ! 仲間のためなんだから我慢しろ! あとでカツラ買ってやるから!」
「いやあああ! カツラの女神はいやあああ! 物憂げに俯いた途端にパサッと落ちるのは嫌なの! あんたが代わりにハゲなさいよ!?」
「俺の黒髪じゃ目立たなすぎて目印にならねーだろうが! おら! さっさと毟らせろ!」
「やぁーめぇーてぇーよぉー!?」
ゴブリンの巣でも俺とアクアは平常運転だ。
17Res/17.38 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20