【鬼滅の刃】愛の言葉は私から【ぎゆしの】
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20:名無しNIPPER
2020/04/05(日) 20:20:52.66 ID:33Pc5UOzO
「取られる…なんてこと…ないわよね?」

 ただでさえ無口で無愛想な義勇さんのことだ。私が告白した時だって、どれ程苦労したことか。前世での知り合いだなんて、何のアドバンテージにもならなかった。そもそも義勇さんは浮気ができるような性分ではない。けど…



21:名無しNIPPER
2020/04/05(日) 20:22:08.91 ID:33Pc5UOzO
「もしも、本気だったら…?」

 それなら充分にあり得る話だ。思い返せば、私が素直だった瞬間なんて、前世を含めても告白したあの時くらいだ。それまでもそれからも、彼の優しさに甘えて冗談や嫌味を言ってからかってばかりだった。もしも、そんな女に嫌気が差してしまったら?


22:名無しNIPPER
2020/04/05(日) 20:22:42.51 ID:33Pc5UOzO
「いや…いや…そんなの…いや…」

 考えれば考える程、嫌な方向に考えてしまう。

「よし…」
以下略 AAS



23:名無しNIPPER
2020/04/05(日) 20:23:19.00 ID:33Pc5UOzO
「話があるんだ」

 帰宅した義勇さんが、着替えもそこそこに私にそう伝える。

「話…ですか?」
以下略 AAS



24:名無しNIPPER
2020/04/05(日) 20:35:28.58 ID:33Pc5UOzO
「あぁ、いや、何、大した話ではないんだが…」

 妙に歯切れが悪い。口下手ではあるが、言いたいことは誤解されても言う人なのに…そんなに言いにくいことなのだろうか…まさか本当に…捨てられてしまうのだろうか…


25:名無しNIPPER
2020/04/05(日) 20:36:10.30 ID:33Pc5UOzO
「わ、私も!義勇さんにお話があります!」

 もしも本当に義勇さんに、他に好きな人ができたのならば、それを伝えられる前に言わなければならない。それでつなぎ止められるなんて思って無いけれど、フラれてからではとてもではないが伝えられないからだ。


26:名無しNIPPER
2020/04/05(日) 20:39:20.31 ID:33Pc5UOzO
「…そうか、だが俺から言わせてほしい」

 珍しい。いつもは私がどんなワガママを言っても譲ってくれるのに…ねぇ、義勇さん、そんなに私のことを嫌いになってしまったんですか?


27:名無しNIPPER
2020/04/05(日) 20:39:50.23 ID:33Pc5UOzO
「い、嫌です!私からがいいです!」

 溢れ出しくる涙が止められない。けれど、それを気にする余裕もない。泣くな、泣くな、面倒くさい女になったらダメ…いや、いっそこの場で大泣きしてみせようか。そうすれば、この人は私を忘れずにいてくれるかもしれない…けれど、それも全てこの言葉を伝えてからにしよう。



28:名無しNIPPER
2020/04/05(日) 20:41:47.54 ID:33Pc5UOzO
「わかった…それならお互いに同時に言うと言うのはどうだ?」
「え?」

 驚いた。義勇さんの方からそんな提案をしてくるだなんて。そんなにも、私とは一緒にいられないのだろうか…こんなことになるのなら、もっと早く素直になっていれば良かった。姉さんみたいな人ならば、愛想を尽かされることもなかったのかな。


29:名無しNIPPER
2020/04/05(日) 20:43:18.02 ID:33Pc5UOzO
「…わかりました」

 私は覚悟を決める。この後、どうしよう。行く宛なんてない…姉さんだって不死川さんと家庭をもっているのだ。転がり込むわけにはいかない。そんなことを考えながら、けれど、最後に自分の気持ちは伝えなければ。キュッと気合で涙を止める。最後くらいちゃんと伝えなければ…


30:名無しNIPPER
2020/04/05(日) 20:44:06.88 ID:33Pc5UOzO
「しのぶ…」
「義勇さん…」
「愛してる」
「愛しています…」
「「え?」」
以下略 AAS



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