双葉理央「私にも夢を見る権利くらいはある……か」
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2:名無しNIPPER[sage saga]
2020/04/05(日) 14:43:27.13 ID:FjCYaVznO
「梓川はよく毎日学校に来れるね」

血塗れ病院送り事件。
その一件により梓川咲太は校内で孤立した。
にも関わらず毎日ちゃんと学校に通う彼を不可思議に思った私は不躾にそう尋ねると。

「別に、みんなが俺を嫌ってるわけじゃない。そう思うほうが自意識過剰だろう?」

彼の返答は理に適っており、好ましかった。
当事者の癖に傍観者然としたスタイルは自分と通ずるものがあり私は彼と友人になった。

「双葉は佑真が好きなのか?」
「……さて、どうだろうね」

生物である以上、人間にも生殖本能が備わっており、それは私にとっても例外ではない。
第二次性徴と共に思春期を迎えた際にその衝動が高まり、多くの男子女子は恋をする。

「なに照れてんだよ」
「照れてない」

それは断じて恥ずかしいものではないしむしろ当然のことなのだが、常に自ら客観視する私にとっては醜態を見せつけられているようで堪え難く、自分の気持ちを否定し続けた。

「案外、お前もかわいいとこあんのな」
「気持ちが悪いからやめてくれ」

気持ちが悪い。汚い。醜い。怖気が走る。
潔癖を心がけるあまり消毒と洗浄をしすぎた結果、私はきちんと瘡蓋を作ることが出来ずに、軽傷で済む筈の傷口にバイキンが入り、敗血症となってしまったのだろう。


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