双葉理央「私にも夢を見る権利くらいはある……か」
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12:名無しNIPPER[sage saga]
2020/04/05(日) 15:17:16.68 ID:FjCYaVznO
「ふぅ……おや?」
ひとしきり嗤い、気づと辺りは静かになっていて、非常ベルと排泄音はもう聞こえない。
てっきり鼓膜がやられてしまったのかとも思ったが、そうではないらしく、よく見ると梓川に駆け寄る桜島麻衣の姿が見て取れた。
「バカ。嘘つき。バカ咲太!」
「麻衣さん……」
「絶対忘れないって言ったのに!」
パァンッ! と、乾いた音が響き渡る。
桜島麻衣が盛大な平手打ちをかました。
無論、梓川咲太の生尻に対して、だ。
「ごめん……麻衣さん」
「ほかに言うことはないの?」
「好きです」
「ほんとに?」
「いえ、大好きです!」
こうして、桜島麻衣は存在を取り戻した。
「気持ちはわかったケド……それで?」
「僕と付き合ってください!」
「ひとまず、保留にしとく」
「ええっ!? な、なんで!?」
「だって、勢いに流されるのは嫌だもの」
「そ、そんな……麻衣さん意外と冷静」
とはいえそれで恋の成就とはならず、梓川が振られたことでこれまで通り友人関係を続けられると密かに私は安堵していたのだけど。
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