晴海シンジュ「四月馬鹿には笑いたい」【ナナシス】
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2: ◆HQmKQahCZs[sage]
2020/04/01(水) 11:05:11.71 ID:rGjnhKth0
4月1日。世間ではエイプリルフールと呼ばれる日だ。

正直私はこのイベントに良いイメージはない。

いつも私を振り回す姉の冗談が大義名分を得てさらに加速する日だからだ。

だから今日は珍しく瞼を開けることが面倒で………

サワラ「シィちゃんシィちゃん! 大変だー! 大変だーっ!!」

私の現実逃避は予想通りいともたやすく破壊されてしまった。

晴海 サワラ………一家の長姉であるサワラが慌ただしく寝ている私を揺さぶる。

しかしいつもなら最後まで寝ている姉がこういう時に限って誰よりも早起きになるんだなぁ。

いかんいかん。そういうことを意識してしまっては心労が加速する。

シンジュ「なんだサワラねぇ。あまり聞きたくはないが、いったいどうした」

サワラ「銀河の皇帝であるお姉ちゃんを、銀河の使者が迎えに来ているのです!」

サワラ「このままではお姉ちゃんは銀河に帰らないといけません。可愛い妹たちを残して。およよ」

………いつぞやの続きか。思い出したくない銀河皇帝事件。サワラの冗談から始まった、私が銀河皇帝の妹という不名誉なあだ名で呼ばれることとなった事件だ。

シンジュ「そうか。それは難儀なことだな。実に残念だ」

サワラ「だがしかしシィちゃんとカジカ。それにナナスタのみんなと別れたくない私は超空間ロボ サンボンリボンZの封印を解き放ち、悪の銀河帝国の持つ残虐破壊兵器デス・キラーと戦うことにしたのです!」

サワラ「そしてそのためにはシィちゃん………いえ、しぃ・3PO。あなたの協力が必要なの。晴海シンジュは作られた偽の記憶。本当のあなたはサンボンリボンZの最後のキーパーツであるアンドロイド。しぃ・3POなの」

サワラ「その証拠にあなたは生まれたときの記憶をもってはいない」

シンジュ「自分が生まれたときの記憶なんて誰ももってはいないと思うが………」

サワラ「さぁ! お姉ちゃんの手を取ってください! 第一印象から決めてました。よろしくお願いしまーす♪」

私の部屋に来るや否や妄言を吐き散らす姉を後目に私はふわぁとあくびをした。

サワラの言うことは8割は聞き流しておいて問題ない。10割受け止めようとすると脳みそがクラッシュしてしまう可能性があるからな。

さて、若干早いが仕入れに向かうとするか。

カジカ「シィちゃんたいへーん! お姉ちゃんが銀河皇帝でシィちゃんがしぃ・3POなんだって!!」

………なぜ信じるんだカジカよ。素直なのは美徳かもしれないが。それがカジカの長所だと思ってはいるが

学習し、学べ我が姉よ。


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