53:名無しNIPPER[sage saga]
2020/03/19(木) 23:54:11.23 ID:z07AMiQQO
そんなものなんだろうな、と、十九歳の私は思う。
当時はそれが全てだと思っていた鬱屈も、時間が経てばちっぽけなことに感じてしまう。決意の逃避行だって子供が背伸びしてるだけの微笑ましいおでかけになる。それは、成長していく過程でもっと大きな問題に直面したから相対的に小さくなったのか、はたまた私自身がその鬱屈を解消できたからちっぽけなものだと思えるようになったのか。
……どっちでもいいか。春でも夏でも、達成感でも敗北感でも。考えながら、グラスに残ったハイボールを飲み干す。次は何を飲もうかしら、とテーブルに目を移すと、なんだかぼぅっとしたような顔の日菜が視界の隅に映る。
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