50:名無しNIPPER[sage saga]
2020/03/19(木) 23:51:03.27 ID:z07AMiQQO
その日を頭に思い浮かべる。
中学生という、純粋な子供から小賢しい子供への過渡。思春期真っただ中の自意識はやけに神経過敏で、特に劣等なんていう厄介なものを一つ屋根の下に感じ続けていた私は、毎日を面白くない顔で過ごしていたことだろう。
どっちが上でどっちが下か、日菜が勝ってて私が負けてるだとか。今にして思えば、なんて小さなことで悩んでいたんだろうか、という気持ちだ。そんなことに頭を抱えていたのが自分自身でなければ、微笑ましくもある。
けれど当時の私には、それ以上の悩みなんてなかった。毎日毎日、生きるか死ぬかの瀬戸際に立たされているような気分だった。
そういう神経過敏を拗らせた私は、ある日、何か大きなことをしてやろうと思い立ったのだ。学校の友達や先輩、そして誰より、日菜にもできない何かをしてやるんだ……と。
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