12:名無しNIPPER[sage saga]
2020/03/19(木) 22:40:50.86 ID:z07AMiQQO
だけど紗夜の頭にあるのは自分対ラーメンの様相だった。ネギととろろとチャーシューを率いたラーメン軍の一大決戦。天下分け目の関ケ原である。
いっそもう、行ってしまおうか。
ラーメン軍の怒涛の兵糧攻めに、紗夜の気持ちは揺らぎに揺らぐ。というかもう折れかかっていて、『……そうだ、こんなに悩むくらいなら、行ってしまえばいいんだ』なんてことを思いだした。
無駄なプライドなんて邪魔なだけだというのはもうとっくのとうに知っているし、学校帰りにひとりでラーメンを食べたというところでそれがなんだと言うのだ。私のことをまるで俗世から離れた天女のように崇める人間なんかいるわけがない。もしも私をそんな目で見る人間がいるなら今すぐにでも黄色い救急車を呼ぼう。私だってひとりの人間だ。ポテトを食べたくもなればラーメンだって食べたくなる。これはいわば生理現象だ。人間の三大欲求のひとつだ。仕方のないことなのだ。それにラーメンは友達だ。怖くない。友達がテーブルの上にいてくれるなら、ひとりじゃないなら、辛くなんてないし悲しくなんてない。だから、行こう――!
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