10:名無しNIPPER[sage saga]
2020/03/19(木) 22:39:22.23 ID:z07AMiQQO
放課後になっても紗夜の激動は収まる兆しを見せなかった。
静かな生徒会室で風紀委員の書類仕事をやっつけている今も、心の中には淡い聖杯が浮かぶ。そこから漂う湯気と濃厚なスープの匂いが浮かぶ。
頭を振った。気分を変えよう、と紗夜は思う。
ペンを机の上に放って、窓の外を見る。今日は朝から快晴だった。遠い空は藍色。たなびく白い雲。窓を開けているから、そこから吹き込む春の風にカーテンが微かにそよぐ。射し込む陽だまりが揺れる。生徒会室にできた、白い陽だまり。その中にいるラーメンと私……
違う、そうじゃない。
大きく息を吸い込んで、ため息にも似た深呼吸をする。このアンニュイを如何にするべきか。
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