7:名無しNIPPER[saga]
2020/03/17(火) 21:40:14.71 ID:xmNjixo30
「だ…だからこそ、なあなあじゃ駄目だと思って。10年も経つのに今更かもしれないけれど、つまり…10年も経つんだ、と思ってしまったから。これからずっと、何も変わらず年ばっかり重ねていくと思うと、恐ろしいの」
相変わらずいまいち話が読めない。躊躇や不安が彼女の話を迂遠にしているように感じた。ミミちゃんは決意を込めた表情で懐から何か取り出すと、わたしの前に置いた。
「…これ、渡しとく」
8:名無しNIPPER[saga]
2020/03/17(火) 21:40:44.00 ID:xmNjixo30
「なんとか言ってよ…」
「それって、その、そういうことだよね」
「…トトリが良ければだけど…私と、一緒の部屋に住んで欲しい。これはこの部屋の鍵だけど、アールズのことが片付いても、なんというか、あんたの一番近くにいたいの」
9:名無しNIPPER[saga]
2020/03/17(火) 21:41:15.52 ID:xmNjixo30
「わたしにとってのミミちゃんは親友で、相棒で、それで……」
恋人とか夫婦とか、わからないけどさ。関係にどれだけ名前を与えても無粋に感じてしまうくらい、特別になってしまっている。ミミちゃん。かけがえのない人。
彼女はわたしの言葉を聞いていた。テーブルに置かれた鍵に触れると、その冷たさで、自分の体が熱くなっているのが分かった。
10:名無しNIPPER[saga]
2020/03/17(火) 21:41:45.70 ID:xmNjixo30
ミミちゃんはわたしの手を取って、両手で強く、強く握りしめた。強い光を帯びた眼でわたしを見つめる。
「幸せにするから」
「あはは、おおげさ」
11:名無しNIPPER[saga]
2020/03/17(火) 21:42:24.84 ID:xmNjixo30
そう思った途端、胸の奥のほうから感じたことの無い種類の嗜虐心が沸いてきた。それは驚くほど強い感情で、ミミちゃんと出会った時に産まれて、今までずっと眠りながら育っていた、わたしの中の根源的な欲求のようなものだった。
この子が欲しい。
「今日、泊まるね」
12:名無しNIPPER[saga]
2020/03/17(火) 21:43:31.45 ID:xmNjixo30
おしまい
トトリエ発売が2010年なのでそのへん意識しました
トトリちゃん誕生日おめでとう
13:名無しNIPPER[sage]
2020/03/17(火) 23:10:17.09 ID:TeSC7BbAo
乙
14:名無しNIPPER[sage]
2020/03/17(火) 23:24:01.64 ID:VYYwjJLyo
あ……
あ〜〜〜〜〜〜〜〜^^^^^^^^^^
15:名無しNIPPER[sage]
2020/04/02(木) 05:34:28.22 ID:WgXsuiARo
いいね👍
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