7:名無しNIPPER[saga]
2020/03/17(火) 21:40:14.71 ID:xmNjixo30
「だ…だからこそ、なあなあじゃ駄目だと思って。10年も経つのに今更かもしれないけれど、つまり…10年も経つんだ、と思ってしまったから。これからずっと、何も変わらず年ばっかり重ねていくと思うと、恐ろしいの」
相変わらずいまいち話が読めない。躊躇や不安が彼女の話を迂遠にしているように感じた。ミミちゃんは決意を込めた表情で懐から何か取り出すと、わたしの前に置いた。
「…これ、渡しとく」
それは控え目にリボンを結ばれた、飾り気の無いデザインの鍵だった。
「えっと…鍵?どこの?」
「……この部屋」
―――ミミちゃんの部屋の鍵を?わたしに?
言葉と行為が繋がって意味を成すまで、数秒。それを理解した途端に、頭の中が真っ白になった。驚きのあまり、思考が進んでいかない。ぱちくりと瞬きをするわたしを、ミミちゃんは不安そうに見ている。
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