【鬼滅の刃】しのぶ「バレンタインデー」
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6:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 06:58:47.23 ID:ViqLDuZYO
「竈門くんはモテそうだから大変ね…それに引き換え冨岡さんは…はぁ…いつになったらちゃんとするんですかね?」

 妹が甘酸っぱい恋をしている横で、自分は腐れ縁の幼馴染みにチョコを渡すのかと思うとため息も出てくる。原因の半分は自分にもあるのだが、そもそも私は『しょうがなく』冨岡さんにチョコをあげるのだ。それがなければそもそもチョコなど作らなくて済むのに。


7:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 06:59:21.65 ID:ViqLDuZYO
「冨岡くんが?」
「えぇ、この間だって始業式でネクタイがぐちゃぐちゃだったのよ?私が見つけて直したから良かったようなものの、あのまま式に出てたら教師失格よ」
「ドジっ子…」

 確かに冨岡さんは顔はいい。だけど、それを台無しにするぐらいの残念さを持ち合わせている。カナヲが言うようにドジっ子と呼ばれて許される年齢はとうに過ぎているのに。
以下略 AAS



8:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:00:00.26 ID:ViqLDuZYO
「あらあら、あれ直したのしのぶだったのね」
「姉さん気付いてたの?」

 だったら直してあげればいいのに。

以下略 AAS



9:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:00:35.16 ID:ViqLDuZYO
 幼馴染みのよしみで、たまに様子を見に行くけれど、彼の部屋はそれはもうひどい有様だった。散らかっているというよりは物がない。本当に何もない。同じジャージが三着だけかかったラック、洗濯機、布団しかない部屋を見た時には唖然とした。
 冷蔵庫もなかった。一体食事をどうしているのかと聞くと。コンビニで済ませるそうだ。その日のうちに彼のお姉さん…蔦子さんに連絡し、三人で家電を買い揃えたことは忘れられない。蔦子さんにはこちらが申し訳なくなるほどの謝罪とお礼を言われた。どうしてこんなにしっかりした人の弟がこんなことになるんでしょう。


10:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:01:23.37 ID:ViqLDuZYO
「姉さん、冨岡先生の家に行ってるの?」
「あら?カナヲは知らなかった?」
「だってあの人!本当に生活力ゼロなのよ!?」

 せっかく家電を買い揃えても、彼自身はそれを使わない。というよりは使えない。だからたまに私が行って料理の作り置きをしたり、部屋の掃除をしたりする。
以下略 AAS



11:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:02:09.32 ID:ViqLDuZYO
「本当…あんなんじゃ誰もお嫁さんに来てくれないわよ…」

 しょうがないからたまになら、彼の好きな鮭大根でもお裾分けしに行ってあげようか。そんなことを考えていた私に姉さんが爆弾を落とした。


12:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:02:41.30 ID:ViqLDuZYO
「あら?冨岡くんはモテるわよ?」
「は?」

 何の冗談でしょう。姉さんらしくない。

以下略 AAS



13:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:03:18.19 ID:ViqLDuZYO
「な、何の冗談?冨岡さんがモテるわけないでしょ!?」

 何故か私は叫んでいた。どうしてこんな面白くもない冗談に動揺しているんだろう。

「だって顔はいいし…」
以下略 AAS



14:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:03:47.10 ID:ViqLDuZYO
「そういうところも、人気なんだって」
「は?」

 カナヲは何も悪くないのに、ついつい語気が荒くなる。

以下略 AAS



15:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:04:17.84 ID:ViqLDuZYO
「ひょっとして…冨岡くんのこと好きなの!?」
「はぁ!?」

 姉さんがキャーっと嬉しそうに叫ぶ。可愛い。いや、可愛いけれど!?



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