45:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:21:23.86 ID:ViqLDuZYO
「胡蝶…泣くな」
もっと気の利いたことは言えないんでしょうか。
「…俺はこう言う時に気の利いたことは言えない」
46:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:21:54.85 ID:ViqLDuZYO
「だから…その…お前に泣かれると…どうすればいいかわからない…」
「っ…」
この人に他意はない。顔見知りが泣いていたから心配した。ただ単にそれだけ。本当にそれだけなんです。けど、それでも…私を追いかけてきてくれたことが、他の何をおいても私を心配してくれたことが、たまらなく嬉しいんです。
47:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:22:25.89 ID:ViqLDuZYO
「…冨岡さんのせいですよ」
「何!?」
こんなわかりきったからかいも本気で反応している。そう、こんなところも好きだったんです。
48:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:22:56.64 ID:ViqLDuZYO
「その…すまない…俺は…その…どうすればいい?」
「…それなら、これ…受け取ってください」
「これは?」
「ふふふ、『義理チョコ』ですよ」
49:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:23:24.26 ID:ViqLDuZYO
「あぁ…ありがとう」
あなたは多分気づいていないんでしょうね、だから…
「!?」
50:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:23:56.24 ID:ViqLDuZYO
「…教師をからかうんじゃない」
「はいはい、すみませんでした。冨岡先生」
いつもの学校での距離に戻る。いつかちゃんと本命チョコをあげますから、それまでは…待っていてくださいね?
51:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:24:26.61 ID:ViqLDuZYO
その後…
「はい、炭治郎…これ…」
「ありがとう!カナヲ!大切に食べるよ!」
「うん…ありがとう…」
「ところで、しのぶさんはうまく渡せたのかな?」
52:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:25:05.38 ID:ViqLDuZYO
「うん、チョコに『義理』って書いてた」
「そうなのか、けど『義理』って書くのは難しくないのか?」
「うん、だからとっても大きいチョコになってた」
「そんな大きいチョコだと、逆に『本命』みたいだけど…」
53:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:25:38.99 ID:ViqLDuZYO
「おまけに、そんなに大きいチョコの型ってなると…ハートしかなくて…」
「…まさかハートで作ったのか?」
「うん…姉さん多分気付いてない…」
「『義理』ってチョコに書いてるんだよな…ってことは…」
「…うん」
54:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:26:10.75 ID:ViqLDuZYO
職員室にしのぶからのチョコ…事情を知らない人から見れば大きなハート型のチョコを持って帰った冨岡義勇が
「胡蝶からもらった」
と正直に答え、噂が広まったのは別のお話。
終わり
55:名無しNIPPER[sage]
2020/03/14(土) 10:13:18.90 ID:WvmWz1Z5o
おつおつ
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