21:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:07:34.60 ID:ViqLDuZYO
「伊之助くんですか?」
「ぎ、義理チョコですよ!義理チョコ!」
義理チョコ?そうよ、義理チョコってはっきりわかればいいんじゃない!
今まで、冨岡さん一人に渡していたから本命だと誤解されるたのよ!それなら、本命のチョコは別に用意して、冨岡さんには義理だとわかるチョコをあげればいいんだわ!
22:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:08:03.18 ID:ViqLDuZYO
「ありがとうアオイ!早速お店に行きましょう!」
「え?お店に行くのは放課後ですよ!?」
逸る気持ちが口に出てしまった。
「一体何のお礼なんですか?」
23:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:08:30.92 ID:ViqLDuZYO
「…という作戦を思いついたのよ!」
「…へぇ」
家に帰って、私はカナヲに作戦の詳細を説明した。カナヲはいつも私と一緒にチョコを作る。本当なら姉さんも職場に配るチョコを一緒に作っていたんだけど、今回は私が無理やり外に追い出した。
24:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:09:00.31 ID:ViqLDuZYO
「姉さんのことが嫌いになったの!?」
出ていってほしいと言った時、姉さんはこの世の終わりのような顔をしていた。
「そんな…そんな…しのぶが…反抗期…」
25:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:09:48.17 ID:ViqLDuZYO
「流石に、冨岡さんの他に『本命』がいれば、周りも義理だと思うはずよ!」
「…そんなに渡したいの?」
カナヲが少し呆れたように聞いてくる。違うわよ。ちゃんと義理チョコを渡さないと今までの辻褄が合わないじゃない。
26:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:10:20.42 ID:ViqLDuZYO
「けど、その作戦なら『本命』を渡す相手が必要なんじゃ…」
「そう!そうなのよ!流石!カナヲは賢いわね!」
この作戦の肝と言ってもいい。冨岡さん以外の『本命』だ。適当に見繕ってもよかったのかもしれないが、それでは私の態度でバレてしまう可能性がある。それなら、本当に大好きな相手にあげなくてはいけない…
27:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:10:50.16 ID:ViqLDuZYO
「誰にあげるの?」
「姉さんよ!」
「…」
カナヲがびっくりしている。驚きのあまり声も出ないみたい。可愛いわね。流石私の自慢の妹だわ。
28:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:11:32.83 ID:ViqLDuZYO
「姉さんなら、美人だし、可愛いし、何より私が大好きだから!誰からも疑われないわ!」
流石に渡す相手、それも本命の相手に見られながらチョコを作るだなんて意味がわからない。だから今年は姉さんに席を外してもらったのだ。
29:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:12:08.40 ID:ViqLDuZYO
「あの…姉さん…」
「あぁ、違うのよ!カナヲが好きじゃないってことじゃないの!もちろん大好きよ!でも、カナヲには炭治郎くんがいるじゃない?私が割って入るとややこしいでしょう?」
私は妹の幸せを心から願っているのだ。けれど、どうしてだろう。カナヲからは諦めの目線を感じる。
30:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:12:37.18 ID:ViqLDuZYO
「…まぁ、姉さんがそれで納得するなら…」
「ふふん♪姉さんにはとびっきりのガトーショコラを作るわ!」
今日悲しませてしまった分も、いっぱい喜んでもらわないとね。
31:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:13:03.67 ID:ViqLDuZYO
「それで?冨岡先生にはどんなチョコを?」
「あぁ、冨岡さんには義理チョコを贈るわ」
「うん、だから、どんな義理チョコを…」
「どんなって『義理』って書くのよ」
「は?」
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