11:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:02:09.32 ID:ViqLDuZYO
「本当…あんなんじゃ誰もお嫁さんに来てくれないわよ…」
しょうがないからたまになら、彼の好きな鮭大根でもお裾分けしに行ってあげようか。そんなことを考えていた私に姉さんが爆弾を落とした。
12:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:02:41.30 ID:ViqLDuZYO
「あら?冨岡くんはモテるわよ?」
「は?」
何の冗談でしょう。姉さんらしくない。
13:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:03:18.19 ID:ViqLDuZYO
「な、何の冗談?冨岡さんがモテるわけないでしょ!?」
何故か私は叫んでいた。どうしてこんな面白くもない冗談に動揺しているんだろう。
「だって顔はいいし…」
14:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:03:47.10 ID:ViqLDuZYO
「そういうところも、人気なんだって」
「は?」
カナヲは何も悪くないのに、ついつい語気が荒くなる。
15:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:04:17.84 ID:ViqLDuZYO
「ひょっとして…冨岡くんのこと好きなの!?」
「はぁ!?」
姉さんがキャーっと嬉しそうに叫ぶ。可愛い。いや、可愛いけれど!?
16:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:05:00.35 ID:ViqLDuZYO
「ち、違うわよ!そんなんじゃ…」
「じゃあどうして冨岡くんのネクタイを直すの?」
「そ、そんなの…怒られたらかわいそうじゃない…」
「部屋に行ってまで世話をするのは?」
「そんなの、私がなんとかしないと死んじゃうわよ!?」
17:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:05:30.99 ID:ViqLDuZYO
どうするべきか急にわからなくなった。私が冨岡さんのことを好き?そんなわけない。そんなわけ…。
姉さんが「少しイジワルしすぎたかしら」と小声で言いながら、おやすみと言って自分の部屋に戻っていく。私はとても眠れそうにない。
18:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:05:58.18 ID:ViqLDuZYO
おかげで今日は寝不足だ。バレンタインは次の月曜日。土日で準備するためには今日決めなければならない。いっそ辞めてしまおうか…。いや、今まで毎年あげていたのに急に辞めてしまったら、それはそれで私が冨岡さんのことが好きで、意識しすぎているように見えないだろうか。
19:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:06:37.95 ID:ViqLDuZYO
「うーん…」
「どうしたんですか?しのぶ先輩」
「…ん、あぁ、ごめんなさい。何でもないのよ」
後輩のアオイに声をかけられる。寝不足だから仕方ない。断じて冨岡さんのことで悩んでなんかいない。
20:名無しNIPPER
2020/03/14(土) 07:07:04.95 ID:ViqLDuZYO
「今日の放課後、お店に寄ってもいいですか?」
「えぇ、いいけれど、どこに?」
「ちょっとチョコレートを買いに」
ほら、バレンタインですし。と続けるアオイ。この子も誰かに本命チョコを贈るのだろうか…具体的には、野性的なあの人に…。
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