52: ◆YBa9bwlj/c[saga]
2020/03/26(木) 23:06:48.39 ID:pmBVWDCT0
ーーー女盗賊の部屋ーーー
女盗賊「い、いやぁだからウチが話せることは全部教えたじゃない?」
町娘「それはそうですが…あのような方が居るならもっと早く言ってくれても…!」
町娘「…すみません。駄々をこねてるだけですね」
女盗賊「その…なに?男なんて星の数ほどいるんだし、あれより良い奴もすぐ見つかるって」
町娘「……クスッ。どこかで聞いたような言葉です」
町娘「分かってます、お二人の邪魔はしませんよ。とても深い関係であることも伝わってきましたから」
町娘「手紙の件も、きっとあの人が許してくれないでしょうね」
女盗賊「そうね…覚えてたんね…」
町娘「それでも私は男さんの力になります」
町娘「私を頼ってくれることに応えるのくらいいいですよね」
女盗賊「まぁ…。注射器買いに行くだけよね?」
町娘「大切な人に必要とされるのは、それだけで嬉しいんです」
女盗賊「へー…」
町娘「…女盗賊さん、お好きな男性はいらっしゃいます?」
女盗賊「ウチ?爺のことは好きかなぁ。ウチをからかってばっかだけどあんなんでも育ての親だしね」
町娘「ごめんなさい質問が悪いですね」
町娘「恋をしたことは?」
女盗賊「……………」メソラシ
町娘「あ、いえ、馬鹿にするつもりはなくてですね」アセアセ
町娘「誰かに恋をするってとても素敵なことだと思うんです。そして――とても残酷です」
町娘「だって恋をしてる間はその人しか見えなくなってしまうんです。その人が全てで他はどうでもよくなってしまう」
女盗賊「…え?町娘ちゃんまさか…」
町娘「物の例えですよ。私はそこまで盲目じゃないです」
女盗賊(薬屋ちゃんが聞いてなくて良かったよ)
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