40: ◆YBa9bwlj/c[saga]
2020/03/20(金) 00:11:08.66 ID:M7muVSN10
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薬屋「……」
男「……」
薬屋「………」
男「……」
薬屋「……………」
男「…俺は抵抗しない」
薬屋「……」グッ
ググッ...
薬屋(……っ……)
薬屋「………出来るわけ、ないだろう………」
男「……」
薬屋「なぁもういいんだ。私を殺してくれ」
男「………」
薬屋「一度してくれたように、早く頼む」
男「…殺さない」
薬屋「ふざけないでくれよ。お前が手に入らないのならこんな世界で生きていく意味はない」
薬屋「…いい、殺してくれないなら自害するさ」
男「駄目だ。死ぬんじゃない」
男「俺はお前に生きて欲しい」
薬屋「……………は?」
薬屋「今……何と言った……?」
男「……」
ダンッ!
薬屋「ふざけるなっ!!」
薬屋「私を殺したのは誰だ!私を拒絶したのは誰だよっ!?」
薬屋「今更生きていて欲しいだ!?どれだけ私を苦しめれば気が済むんだ!」
薬屋「そもそも何故お前は私と話している!?私は、せめて殺されるのがお前で良かったと……お前が殺めた相手として記憶されるのならと出来もしない納得をして…!」
薬屋「なのに……!」
薬屋「お前に!!……今、最も会いたくて、最も会いたくなかったっ…!」
男「…すまなかった」
男「お前が向けてくる感情から逃げた事。常軌を逸したとも言える執心から目を逸らしていた事」
男「思えば、依頼でお前の逃亡を手助けした時からだったな」
ーーーーー
薬屋「――これでお別れではないよな?私と…ずっと一緒にいてくれるよな?」
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男「あの時からお前は、俺を見るようになっていたんだ」
薬屋「――!覚えていたのか…?」
男「あぁ。それまで感情を見せなかった依頼主の最後の言葉だったからな」
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