2: ◆z.6vDABEMI[saga]
2020/03/06(金) 20:55:13.31 ID:hr1ls1V9o
「誰かにイタズラされてるとか?」
「……かなぁ」
「平子さん、ストーカーとかされてるんじゃないの?」
「いやいや、そんなわけ」
無いだろう。……無いよね?無いよね?
問いたくなるけれど、答えるものもなし。
突然不安になるけれど、それを払拭できるような材料もない。
かと言って『ストーカー被害を受けている』確証も無く、なによりも大きな被害がひとつも無いので警察に訴える訳にも行かないだろう。
ただただこの話はひたすら「愛車の周りに米が撒かれていた奇妙な話」でしかなかった。
なんだこの話。
「……まあいいや」
「良くなくね!?」
「解決しねえもん。はー……収録まであと何分ある?」
「え?ええっと、三十分くらい」
そっか、と答えた途端、視界が急に狭くなる。
「なんか……眠くなって……」
「え?え?いやいやいや、嘘でしょ?」
「……」
最近色々収録が立て込んでいたからだろうか。どっと疲れが全身を覆い、俺の視界は闇に包まれる。格闘技ならカウントなど取る余裕もなくゴングを鳴らされているような、唐突な、衝動的なものだった。
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