上杉風太郎「一花、お前はかわいいよ」中野一花「ッ……!」
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4:名無しNIPPER[sage saga]
2020/03/03(火) 23:21:29.81 ID:elO9kpWFO
「起きろ、一花。起きて、勉強をしてくれ」
「条件があります」
「じょ、条件、だと……?」

目の前で二度寝されて困り果てた家庭教師に、生徒の私は図々しくも条件を突きつけた。

「フータローくんも、一緒に寝よ?」
「ふざけるな! なんだその条件は!?」

なるべく可愛く見えるように添い寝を要望したつもりだけど、朴念仁の彼には通じなかった。
仕方ない。それらしい理由をでっち上げよう。

「別にふざけてなんかないよ」
「俺にはふざけているとしか思えん」
「私は真剣よ、フータローくん」
「真剣におかしなことを言わないでくれ」
「ひとまず私の話を聞いて」
「はあ……わかった。聞くだけは聞いてやる」

生徒のわがままに辟易とするフータローくんを見て、思わず嗜虐的な笑みが溢れそうになるが、ぐっと堪え、努めて真面目に私は述べた。

「そもそも寝起きに勉強は無理があります」
「いや、ありがちな勉強のやり方だと思うが」
「少なくとも、私には無理です」

きっぱりと断言する。だって眠たいもん。
普段滅多に使わない敬語を用いると妹の五月のような口調になり、彼が狼狽えるのがわかった。
フータローくんは、五月と相性が悪いのだ。
それを逆手にとって、私は強引に話を進めた。


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