10:名無しNIPPER[sage saga]
2020/02/27(木) 01:21:05.35 ID:/796ddojO
「いい? 私はあなたのことが好きなの」
「お、おう」
「だからあなた以外と付き合うつもりはない」
「そ、そうか」
「キスしていい?」
「えっ?」
そっと、女友達が俺の唇に口づけを落とした。
「……ごめんなさい。今しかないと思って」
「……え? ああ、うん……別にいいけど」
謝る必要はないとか、言えたら良かったのに。
「今の、私のファーストキスよ」
「そ、そうですか」
「はい、そうなんです」
思わず敬語になると敬語で返されて笑われた。
「だから、許して欲しいなって」
「いや、許すも許さないも……」
「怒ってないの?」
「怒ってないよ」
「私のこと、嫌わない?」
「嫌いになんか、なるわけないだろ」
「そう。それなら……良かった」
こいつでも不安になることがあるのだと知った俺は、務めて優しくそれは杞憂だと諭した。
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