32: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2020/02/10(月) 01:19:42.87 ID:CDwt0mRk0
みんながぼくのことをアイドルと評した。
ぼくはぼくのことをアイドルだなんて思えなかった。
「凄いアイドルが! 尊さじゃなくてお祭り感覚で決まるっていうんなら! 努力なんてムダムダの無じゃん! アイドルってなんなんだよぅ!」
アイドルってなんなのさ。
ぼくはもう、そんなやつらと付き合うのなんて、まっぴらごめんなんだ。
「……」
「……」
「……」
「今、家か」
ぼくがどもりながら、つっかえながら、しゃくりあげながら、何度も何度も同じ内容を叫んだ果てに、Pサマは電話越しにそう言った。それだけを言って、ぼくの小さな返事を受け、電話を切った。
「……」
わからない。何が起こったのか。
怒られるんだと思った。なにを言ってるんだって。仕事を舐めるんじゃない、って。
だけどPサマはそんなことちっとも言わず、……本当に、ただ、それだけを言ったんだ。
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