59:伊丹 [sage]
2020/02/08(土) 21:38:38.73 ID:2EYiqEug0
ふと目を開けると、
駅から走って出てくるスーツ姿の男性がひとり。
あたりを見渡して、私を見つけるとパァッと笑顔を咲かせて、ドタドタと走ってこちらまでやってくる。
「はぁ、はぁ、紗代子。遅くなって悪かった!仕事でちょっとあってーーー!」
「プロデューサー……」
彼が来てくれた…!
肩で息をして、ほんのり汗をかいて。
伝えたいことがたくさん、たくさんあったはずなのに。
彼の顔を見たら、何から話したらいいのか、分からなくなってしまう。
額の汗を拭いながら、彼は腕時計で時間を確認する。
「30分遅刻か……紗代子、すまなかった!
今日みたいな、めでたい日に……!
…怒ってる……か?」
黙りこくっている私を見て、彼は恐る恐る聞いてくる。
私も外していた腕時計を着けて、時間を確認する。
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