54:伊丹 [sage]
2020/02/08(土) 21:28:25.18 ID:2EYiqEug0
「……正直、私の腕には大きすぎる感じではありますね。
バンドはナイロン製に変わっているけど、それでも重たくて。
時間だってすぐズレるし、蓄光塗料も薄ぼんやりで夜は見にくいし。
これは普段使いするには根気がいる道具だなとーーー
……あっ」
私が言葉を紡ぐたびに、彼のこうべが垂れていく。
しまった、と思い慌ててフォローしようとするも、彼は苦笑いを浮かべる。
「はは……まぁ、わかってはいたことだけど…。
もしも俺を気にして毎日着けてきてるなら、無理して着けてこなくてもいいからな?」
それを聞いて、私は改めて左腕の時計を撫でる。
たしかに、私が着けるにはデメリットしかない腕時計。
だけど、これは。
66Res/53.80 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20