30:伊丹 [sage]
2020/02/08(土) 20:46:49.40 ID:2EYiqEug0
◆
「はぁ、はぁ、はぁ!」
レッスンが終わった後、私は夕暮れの劇場前をひとり走り込みをしている。
「……だめだ。さっきよりもタイムが落ちてる!」
ベンチに置いたストップウォッチをみて私は歯噛みする。
一つに結んでいる後ろ髪が汗ばんだ背にまとわりつく。
疲労回復に効果のある、ビン詰めのレモンのはちみつ漬けと水を口に流し込む。
よし、次は!
と踏み出そうとしたとき……
お疲れ様!
と背後から声をかけられる。
「……P!お疲れ様です!」
「みんなから聞いて様子を見に来た。
ここのところ、朝以外に走り込みを毎日やってるらしいな?」
「はい!大会本番までそんなに時間がないですから!」
「はは!みんな驚いてたぞ。紗代子はいつも全力だけど、
今回はいつも以上に入れ込み方が違う、って
まさか、本当にマラソン大会に出場するなんてな!」
66Res/53.80 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20