【FGO】アーチャー「2月2日のカルデアにて」
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9: ◆XVOS/FY0A/il[sage saga]
2020/02/06(木) 22:59:46.39 ID:SoHlR5BC0
「お疲れさまでした、アーチャー」
軽やかな足取りでセイバーが、近付いてくる。
対する自分はというと、消耗しきっていた。
時間にして僅か数分程の短い戦いだったが、余りに濃密。
全力で刃を振るい、魔力回路をフル稼働させ続けた。
何よりセイバーの圧を正面から受け続け、その振るう刃を幾度と受けたのだ。
魔力消費やダメージはないものの、立ち上がることすらできない程疲れ切っていた。
「気迫ののった良い攻撃でした。対応が遅れていれば、負けていたのは私かもしれない」
対するセイバーは、そう冷静に分析するだけの余裕はあったらしい。
まさに完敗。
分かっていた結果だったが、実際に突きつけられると悔しさが込み上げるものだ。
疲労に加え、なけなしの自尊心もズタボロ。
当分は復活できる気はしなかった。
此方を見下ろすセイバー。
その表情は先程までとは打って変わり、温かな微笑みがたたえられていた。
そして、正面から私を見据えながら、告げた。
「―――強く、なりましたね」
……その言葉を聞いた時、再び思い出される記憶があった。
道場で倒れ伏す俺にを見詰めながら、優しく微笑む彼女。
あの時も、そうだった。
師事の最中では武人を貫く彼女だが、特訓が終わるといつもの様子に戻って、今のように優しく微笑むのだ。
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