妹でお嫁さんな五十嵐響子
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3: ◆x8ozAX/AOWSO[saga]
2020/02/05(水) 17:20:13.78 ID:zm72+V2G0


それは、ある日の午前の事。

346プロダクションにプロデューサーとして勤めている俺は、同じく346プロダクションに勤めるアイドル五十嵐響子と向き合っていた。

響子「むぅ…………」

P「……そんなに悩む事か?」

響子「悩みますよ……だって、妹役なんて……」

P「響子なら大丈夫だと思ったんだがな」

今回響子に来ていた仕事は、とあるドラマの主役の妹役。

主役は普通の社会人で、その妹である響子は主役と共に二人で暮らしている、というものだ。

普段はアイドルユニット『P.C.S』の三人で活動していて、その中で最年少の響子なら慣れたものだと思っていたのだが。

想像に反して、響子の反応は渋いものだった。

響子「私、家だと長女だったから、妹って言われてもあんまりピンとこないんです」

P「まぁ確かにそうだったよな。面倒見も良いし」

響子「そう言って貰えるのは嬉しいです……自分ではあんまりそうは思ってないんですけど……」

P「甘えるのとか、苦手か?」

響子「苦手……うぅん、甘える……どうなんだろう……」

顎に手を当ててむむむ……と唸る響子。

ゆらゆらさせる頭に連動して揺れるサイドテールが、なんとなく可愛らしい。

脳内では、自分が甘えているところを想像しているのだろう。

例えば、それこそ普段一緒に活動している島村卯月や小日向美穂を相手に。

響子「…………私がしっかりしないと……」

P「……本人たちには言ってやるなよ。特に美穂はよく『わたしがお姉ちゃんなんですからっ!』って意気込んでるんだから」

響子「あ、ええっと……想像してたのはプロデューサーで……」

P「……………………」

響子「……あっ、ごめんなさい」

P「謝らないでくれ」

俺だって大人だ、しっかりしてるさ。

たまにカップ焼きそば作るのを失敗する事もあるが、きちんと生活は出来ている。

響子「それに、私の役って主役の方と二人暮らしですよね?」

P「そうなるな」

響子「私、年上の男性と生活した事なんてお父さんくらいしかなくって……」

P「……まぁ、それも普通だよな」

響子くらいの年齢で父親以外の年上の男性と生活なんて、普通は無い。

それこそ、家に兄がいる子くらいだろう。




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