3:名無しNIPPER[saga]
2020/01/26(日) 16:40:11.48 ID:eEyX7Fuh0
「……ごめんなさい」
「いや……俺も、言葉が悪かった。すまない」
「いえ……」
そのまま会話は萎み、やがて肇は頭を下げて打ち合わせ室を後にした。
扉が静かに閉じてから十秒経ち、俺は溜め込んでいた苦々しい息を辺りへぶち撒ける。
椅子に遠慮無く体重を押し付け、何度も何度も軋ませてやる。
これでいい。これでいいんだ。
最近の肇は少し、隙が過ぎる。
夫婦茶碗だの狸寝入りだの十八歳だの、
何処で吹き込まれてきたんだか分からないような悪戯を、
いや何処なのかは何となく心当たりがあるのだが、
ともかく波状的に仕掛けてこられては堪らない。
再び溜息を吐こうとした瞬間、ポケットの中が震えた。
取り出して表示させた液晶へ浮かぶ名前には、どうにも心当たりがあった。
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