26:名無しNIPPER[saga]
2020/01/26(日) 22:56:01.57 ID:eEyX7Fuh0
「ああ。楽しみにしておく」
「……」
「肇?」
「……その器は」
「ああ」
「きっと……きっと、一生ものです」
それきり肇は黙り込んで、俺は少し遅れてから言葉を飲み込んだ。
手はしっかりと繋がれたままで、伝わってくる温度は熱くて。
俯き気味の耳は、窯の火で焼かれたみたいに真っ赤だった。
何と返したらよいものかと、頭の中で下手くそなろくろを回し出す。
そうしている内に、正面に立っていた肇はこちらへもう半歩だけ踏み出して。
勢い。
そう、小さく零した。
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