24:名無しNIPPER[saga]
2020/01/26(日) 22:33:39.73 ID:eEyX7Fuh0
◇ ◇ ◆
「ごめんなさい、Pさん」
しっかりちゃっかりと買わされたブレスレットを揺らしながらの帰り道。
気付けば繋がれていた手を握りながら、肇は小さく呟いた。
「実は、今日のことは、楓さんに力を貸して頂いたんです」
どうやら、まさか勘付いているとは思われていなかったらしい。
肇は純粋で真っ直ぐで、少々視野の狭い所がある。
このまま育ってしまっても大丈夫なのか、少しだけ不安になった。
「……そうだったのか」
「背伸びをしてみたくなったんです。ご迷惑をお掛けしました」
「迷惑? 何処で見掛けたんだ、そんなもの」
「……ふふ。ありがとうございます、Pさん」
ちかりと西陽がビルに反射し、目を灼いた。
「張り切って考えた予定も、途中からは全然頭から抜けてしまって。
大人になろうと、自分をよく見せようと、焦り過ぎたのかもしれません」
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