22:名無しNIPPER[saga]
2020/01/26(日) 22:10:07.45 ID:eEyX7Fuh0
俺は昔の肇を知らない。
聞いた話によれば、スカウトされる前ののあの娘は……苦しそうだった、とだけ。
アイドルを逃げ道にしてしまうのが怖いと、涙を流していたのだと。
だから時々、恐ろしくなった。
俺は肇から、何かとんでもなく大切な何かを奪い取っているんじゃないか。
成りかけの大器を台無しにしてはいやしないかと。
だがこうして陶に触れる彼女は、いつでも楽しそうで……
さっきまでの不機嫌も何処かへと置き去った、ただの可愛らしい女子高生だった。
「お待たせしましたっ」
店主に手を振り、箱入りの袋を手にした肇が駆け寄って来る。
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