50: ◆ty.IaxZULXr/[saga]
2020/01/24(金) 21:52:30.27 ID:W4W9+UtG0
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旧校舎・地下1階・廊下
帰り道に、『キヨラさん』が立っていた。
「かな子を守って欲しかったわ。アナタのせいで、迎えに行かないといけないの」『キヨラさん』は微笑むだけ。今ならわかるけれど、かな子の言った通りね。縁起物の類であって、幽霊でもなんでもない。会ったら幸運になれると思い込ませられる。
「会ってあげないのかしら」柳清良の思い出は人形には今も刻み込まれているから、会っても意味がないの。自分の妄想に恋い焦がれて狂うなんて、バカバカしいわ。
もう一度だけ微笑むと、『キヨラさん』は壁をすり抜けてどこかへ消えてしまった。誰かに望まれている存在だから、自然には消えないでしょうね。
でも、それでいいと思うわ。
「かな子を迎えにいきましょうか」
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