40: ◆ty.IaxZULXr/[saga]
2020/01/24(金) 21:42:38.98 ID:W4W9+UtG0
31
学生寮・1号館・125号室前
「西園寺さん、いるかしら」
125号室のドアを強くノックする。反応はなし。待っていられなくて、ドアノブに手をかけた。回ったわ、カギはかかってない。
「お邪魔するわよ」
躊躇せずに扉を開ける。125号室には誰にいない。
どちらかが西園寺さんの机とベッドかはわかったわ。上質なモノと可愛らしいモノが並べられている。
もう一方は、今の時代に生きているとは思えないほどに物が少なくて、殺風景だった。本当に、どんな人物なのかしら……いいえ、今は考えない。
西園寺さんの机に目を移す。西園寺さんの長髪には使えないような、小さなヘアコームが置いてあるわ。丁寧に畳まれていた布の正体も良く見るとわかったわ、人形用の洋服。あの人形がここにいたのは、間違いないわ。じゃあ、人形はどこ?かな子と西園寺さんはどこにいるの?
ふと、顔が浮かぶ。幽霊の顔。それに願う。お願い、あなたのイタズラであって。
ケータイのライトが着くことを確認する。かな子には連絡がつかないことも確認したわ。
125号室から出て、走り出す。『キヨラさん』は2号館にしか出ない。それなら、目的地は2号館よりも裏に違いないわ。
55Res/100.68 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20