31: ◆ty.IaxZULXr/[saga]
2020/01/24(金) 21:36:05.37 ID:W4W9+UtG0
23
学生寮・2号館・343号室
ベッドに寝ころんで天井を眺めている。簡単そうに思えた問題は、考え事になっていた。
「奏さん、お風呂に行かないんですか?」
「今日は部屋のシャワーを使うわ」かな子が私の顔を覗き込んで聞いてきた。行きたくない理由は会いたくないからよ、あの人形に。部屋には入ってこないでしょうし。
「それじゃあ、一緒に行きませんか?」
「私は気にしなくて大丈夫よ。行ってらっしゃい」私の理由もわかっているから、声をかけてくれたのかしら。気にしなくて、いいのにね。
「あの、さっきからずっと考えてるみたいで……悩み事なら聞きますよ?」
「そうね、1人で考えていてもグルグル回るだけの気がしてきたわ。かな子、帰ってきたら聞いてくれる?」
「はい、待っててくださいね」
「慌てなくていいわ。ゆっくりしてきてちょうだい」さて、頭を整理しておこうかしら。かな子がお風呂から帰ってくるまでに。
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