30: ◆ty.IaxZULXr/[saga]
2020/01/24(金) 21:35:30.88 ID:W4W9+UtG0
「私もそう思うわ。誰かが動かしてるの」人形は動かない、それなら人が動かしてる。
「なんで階段とか廊下に置くのかな……?」
「持っているのを見られたくないとか、ね」緒方さんの疑問に思いついた答えを口に出してみた。思いつきの割には、合ってるかもしれないわ。動かすのを見られたくないから、一時的に置いている。
「それじゃあ、動かしているのは誰だと思うかしら?」1人、目線がこちらに強く向いた。思い当たる人物がいるのね。強い目線は引きはがされるが、ちらりとこちらを見ているのがわかった。あまり言いたくないのね、犯人扱いしたくはない人物。まぁ、同じ学園の生徒を犯人扱いしたい人なんて少ないわよね。でも、聞かせてもらうわ。
「佐久間さん、誰を思い浮かべたの?」
「え、えっと……」
「別に責めたいわけじゃないし、決めつけないわ。聞かせて?」会話は途切れ、佐久間さんに視線が集まる。私もじっと佐久間さんを眺める。目と目が逢うたびに逸れる。この時を逃れるために、口から答えが出てくる。
「私と部屋が近い……西園寺先輩、です」
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