男「僕の生徒は亜人だらけ」ミレイア「ろっ、六回目だからって嬉しくないんだからっ」
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440:亜人好き ◆HQmKQahCZs[saga]
2020/08/09(日) 21:45:35.90 ID:+QSHLmum0
暑い夏の日。運よく戦火に巻き込まれなかったおかげか、僕たちはなんら変わらない日々を送っていた。

今はスズシロさんを送って教会に向かっているところだ。

物流が悪くなっているせいで、一回り以上小さくなった氷砂糖を食べた帰り、僕たちは木々の影を帰り道に選んで、太陽から逃れていた。

「ここで、先生に出会ったんだよね」

「一年前だったね。随分と勉強もできるようになったと思うよ」

「えっへん。私、天才ですから」

「それでもまだまだだ。勉強をもっとまじめにしないとね」

「ふぇーん。もっと褒めてよぉ」

「はいはい、偉い偉い」

「………ね、先生」

「なに?」

「ちょっと待ってて」

とててとスズシロさんが木の後ろに隠れる。

「今からすっごい恥ずかしいこと言うから」

「恥ずかしいこと?」

「私先生が好き。お嫁さんにしてほしいです」

「………そ、それは」

「恥ずかしいから木の後ろからでごめんね。でもあの時も先生に話しかけようとするの、すごい勇気がいったんだよ」

「………僕は、その」

「返事は明日にしてください! お願いだから。だってきっと先生なら悩んでくれるでしょ?」

「その時だけでも、先生が私に夢中になってくれたら、すごい嬉しいから。えへへ」

「ロウェナさ―――」

スズシロさんにロウェナさんの姿が重なった。あの一直線に好意を伝えてくるロウェナさんと、今のスズシロさんの姿が重なったんだ。

「……わかった、また明日ね」

「うんっ。キャー恥ずかし乙女っ」

木々の間を駆け抜けてスズシロさんが教会へと帰っていく。ちらりと見えたその横顔は

夏の太陽に負けないほど真っ赤だった。





















そして次の日。

スズシロさんは行方不明になった。


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