男「僕の生徒は亜人だらけ」ミレイア「ろっ、六回目だからって嬉しくないんだからっ」
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亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]
2020/08/09(日) 21:45:35.90 ID:+QSHLmum0
暑い夏の日。運よく戦火に巻き込まれなかったおかげか、僕たちはなんら変わらない日々を送っていた。
今はスズシロさんを送って教会に向かっているところだ。
物流が悪くなっているせいで、一回り以上小さくなった氷砂糖を食べた帰り、僕たちは木々の影を帰り道に選んで、太陽から逃れていた。
「ここで、先生に出会ったんだよね」
「一年前だったね。随分と勉強もできるようになったと思うよ」
「えっへん。私、天才ですから」
「それでもまだまだだ。勉強をもっとまじめにしないとね」
「ふぇーん。もっと褒めてよぉ」
「はいはい、偉い偉い」
「………ね、先生」
「なに?」
「ちょっと待ってて」
とててとスズシロさんが木の後ろに隠れる。
「今からすっごい恥ずかしいこと言うから」
「恥ずかしいこと?」
「私先生が好き。お嫁さんにしてほしいです」
「………そ、それは」
「恥ずかしいから木の後ろからでごめんね。でもあの時も先生に話しかけようとするの、すごい勇気がいったんだよ」
「………僕は、その」
「返事は明日にしてください! お願いだから。だってきっと先生なら悩んでくれるでしょ?」
「その時だけでも、先生が私に夢中になってくれたら、すごい嬉しいから。えへへ」
「ロウェナさ―――」
スズシロさんにロウェナさんの姿が重なった。あの一直線に好意を伝えてくるロウェナさんと、今のスズシロさんの姿が重なったんだ。
「……わかった、また明日ね」
「うんっ。キャー恥ずかし乙女っ」
木々の間を駆け抜けてスズシロさんが教会へと帰っていく。ちらりと見えたその横顔は
夏の太陽に負けないほど真っ赤だった。
そして次の日。
スズシロさんは行方不明になった。
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