32:しくじった[sage saga]
2020/01/25(土) 00:00:22.02 ID:8eXfXmBi0
(ん?)
なんかメルヘンチックな少女が話しかけてきた。
「あなた、魔法少女?一般人に危害を加えるってどういう了見かしら?」
やはりアレイスターが魔術師をぶっ飛ばしたところを見られていたようだ。そしてそれが彼女の誤解(まあ魔術師をぶっ飛ばしたことには間違いは無いので誤解もクソもないが)を生んでしまったようだ。
しかしアレイスターは一つ聞き慣れない単語に首をかしげた。
(魔法少女?)
そう、彼女は確かに魔法少女と言った。それも普段から使っているかのようにサラリと出てきた。そりゃあ自分だって魔術師だが、黒いマントを着用している事以外不思議な点はない。それに普通ならばそんな単語、中学生にもなって真剣に使っているのだとしたらただのイタイ子か重度のオタクに見られ口にする機会なんぞ無い筈だが…。
それに彼女の服装もかなりおかしい(緑の手術服にビーカーに逆さまに浮かんでいたアレイスターの言える事ではないが)。まるで中世のヨーロッパを彷彿させる格好だこんなだったら街中だと目立って仕方ない。彼女が魔術師でもない限りこんな奇抜な服装など誰がするものか。
しかしいくら憶測を立てても今は意味は無い。レディが話しかけてきたのだから取り敢えずは返事をしなければ失礼だろう。
「おやお嬢さん、もう子供は帰る時間だがこんな時間に何の用かね」
とアレイスターは取り繕ったような、表面だけの薄っぺらい笑みを浮かべながらそう尋ねた。
一方のメルヘン少女は顔をしかめ、
「だからそこの黒い人をなんで攻撃したのかしら?あまり争い事はしたくないのだけれど」
と気絶している三流魔術師の傍に駆け寄り、安否を確かめながらアレイスターに警告を飛ばしている。
…どうやら彼女は自分に敵対心を抱いているらしい。目の前でくたばっている三流魔術師の制裁を加えに来ただけなのに話がメンドクサイ方向へと向かっていっている。
「お嬢さん、心配しなくともそこの人は死んではいない。まあ骨折位しているだろうがね」
メルヘン少女は羽飾りの留め具にあるオレンジ色の宝石のようなものを取り外し、魔術師の傍へと近づけた。すると宝石は強く光りだし魔術師の傷を癒やしていった。
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