110:松坂英治[saga]
2020/03/02(月) 00:41:43.53 ID:cYuzRuES0
「......取り敢えずこのリボンは切れるかしら?」
「りょーかい」
まずはこのリボンをどうにかしなければ話にならない。このリボンには魔力で耐久性が強化されている為簡単には切れないと思っていたのだが、目の前の少女は軽くOKを出した。
銀の少女は人差し指と中指を伸ばし、まるでハサミで切るかのようにリボンを難なくちょきんと切ってしまった。
「取り敢えず礼を言うわ。ありがとう。けどこの先には行かないで、使い魔を倒せるとしても、この先生き残れるかは保証しかねるわ。だから、」
「そうも言っていられないだろう?君が慌てているということはそれ相応の理由があるのではないかね?恐らく私と君の目的は同じだろうしな。共に行動した方がいいと思うのだがね」
確かにそうだろう。先程使い魔を蹴散らした爆弾を見れば更にゲテモノ科学兵器が出てくる可能性もあるだろう。しかしそんなガジェットに頼りきっていては油断して一瞬の隙を突かれてお菓子の魔女に殺られるだけ、肉塊オブジェの完成である。そんなことはさせない。それも魔法少女でも何でもない一般人を巻き込む訳にはいかない。
しかし銀の少女はほむらの考えていることに気付いているのかいないのか、
「何を考え込んでいるのかね。先程の黄色とピンクと何があったかは知らないが、この先急がなければならないのではないかね」
と言いながら呑気に先へと足を運んでいった。
そうだ、とにかく今はグタグタと考え事をしている場合ではない。早くあの娘達を助けなければならない。今のままじゃ最悪の展開になりかねないのだ。......使える手はいくらでも使えという考えが出てきた。
しかし一般人の彼女の協力を得るのは彼女を危険に晒すことになる。が、
「......ここから先はあなたを危険に晒すことになるわ」
口は頭よりも速く動いていた。
「それを承知でわたしのお願いを聞いてくれるかしら?」
答えは分かりきっているのに、わざわざ質問をする。
「あの娘達を助ける為にわたしに協力してくれないかしら?」
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