ターニャ・フォン・デグレチャフ「さて、副官。着替えを手伝ってくれ」
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名無しNIPPER
[sage saga]
2020/01/14(火) 23:41:03.85 ID:1lunNaHlO
「ああ、そんなっ! 司令部が!?」
戦線を離脱したデグレチャフ少佐は絶望した。
帝国軍ライン方面司令部は敵爆撃機による攻撃で、完全に破壊されていた。瓦礫の山である。
(くそっ! だから言わんこっちゃない!!)
あの時、再考して大隊の後退を認めていれば。
残存の航空戦力を司令部防衛に当てていれば。
まだなんとかなったかも知れないのにと憤る。
「くっ……ふふ、ふふふっ……そうか、存在X」
頭上も地獄、眼下も地獄、前も後ろも地獄。
この世界に救いはなく神はその姿を現さない。
ならばやはり、神は居ないのだろう。
居るのはクソったれの傍観者だけだ。
「神よ! 私はあなたを許さない! 認めない!」
幼女は血の涙を流して、慟哭した。
神に対する怨嗟を、呪詛を吐き出しながら。
腕に抱く副官の体温が失われるのを感じた。
「ああ……少尉……大隊諸君。無力な私を許してくれ。弱い私は何ひとつ、守れなかった……!」
力が足りぬ。力が欲しい。世界を滅ぼす力が。
「お前たちが居ない世界など……滅ぶがいい」
共和国も協商連合も連邦も合衆国も全て全て。
「何もかもを焼き尽くした後に小便をかけ消火して、亡骸に糞を垂れ流して耕してやる!!」
そこでふと、幼女は眠りの淵より、目覚めた。
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