ターニャ・フォン・デグレチャフ「さて、副官。着替えを手伝ってくれ」
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3:名無しNIPPER[sage saga]
2020/01/14(火) 23:36:23.77 ID:1lunNaHlO
「俺が先陣を切る。グランツ少尉は直援につけ。ノイマンとケーニッヒは空路を確保しろ」
「了解!」
「どでかい風穴こじ開けてやりますよ」
「小柄な少佐には不釣り合いな程のね」

ヴァイスの命令に隊員達は素直に従った。
あまりにも無謀なその試みはもはや作戦とは呼べず、ただの悪あがきにしか過ぎない。
断じて、そんな非合理な行為は認められない。

「貴様ら! 死にたいのか!?」
「違います少佐。助けたいんです」

生意気にも口答えしてきたのはグランツ少尉。
彼はセレブリャコーフ少尉と親しくしていた。
ならばと、腕に抱く彼女を突き出して命じた。

「だったら貴様が副官を運べ! 私は残る!」
「おっと。女性士官には触れない規則なので」

(この状況で規則もへったくれもあるものか)

「グランツ! 私の命令が聞けないのか!?」
「聞けませんね、こればっかりは」
「何故だ!? 私が幼女だからか!?」

気づけば、涙が頬を伝っていた。泣き喚いた。
腕に抱くセレブリャコーフ少尉に滴り落ちる。
グランツ少尉は申し訳なさそうに頭を下げた。

「お許しください、少佐。自分は男ですので」

(何を馬鹿な! 時代錯誤にも程がある!!)

デグレチャフ少佐とて、中身は男だ。
故に性別で差別されるいわれはない。
しかしそれを彼らは信じないだろう。


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