麻子「……華、さん」 華「はい?
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51:名無しNIPPER
2020/01/12(日) 23:41:22.12 ID:zPoxPRfb0
華「でも、わたくしが麻子さんと将来的に結婚できないのは女同士だからです」

麻子「お……おう」

華「それって、女同士が世間的に交際相手として認められないからですよね」

麻子「……おう」

華「でしたら別に結婚してから麻子さんと何をしようが不倫とはならないのでは?」

麻子「お……いやその理屈はおかしい」

華「う〜ん……でも意外と珍しくもないんですよ? 流派の家元が隠れて外の方と関係を持つのは……」

麻子「そんな闇をいま知りたくなかった……大体、子供ができたらどうする気だ。私なんかに構う暇はないだろ」

華「もちろん、わたくしの子供にはたくさん愛情を注ぎます。けど五十鈴流は二十歳を迎えるころには自立して家業を継ぐよう教育されますから……子離れはけっこう早いんですよ? 現にわたくしも中学から親元を離れてますし」

麻子「だから……そういう問題じゃ……!」

華「もしそういった関係をどうしても続けられないとおっしゃっても……例えば麻子さんが病気で倒れたら、毎日お花を生けにうかがいます」

麻子「へ……?」

華「お仕事が見つからないのであれば、ご紹介してさし上げます。麻子さんは優秀な方ですからいくらでも斡旋いたしますわ」

麻子「あ、あのな……そういうこと言ってるんじゃ」

華「麻子さんがひとりぼっちで寂しいとおっしゃるなら、夜中でもお傍に飛んでいきます。どうしても朝起きられないのなら毎日でも起こしにいってさしあげます」

麻子「……」

華「きっと同じことをほかの方々も思っていらっしゃるでしょうけど……大人になってみなさんが家庭をもてば、麻子さんは迷惑をかけまいとして誰にも頼らなくなるでしょう? 特に沙織さんには……幸せな家庭を持ってほしいって思ってらっしゃるみたいですから」

麻子「……なんで……そんなことまで」

華「麻子さんは優しくて……でもちょっと強がりなところがありますから。だから、わたくしだけは死ぬまで大好きな麻子さんを甘やかすんです」

麻子「っは、な、さん……」

華「もっとも……わたくしの方も辛いときは麻子さんに甘えてしまうでしょうけど。今日みたいに」

麻子「……バカっ、それだと結局不倫と変わらんじゃないか」

華「あら……でもわたくしが弱っていたらきっと甘やかしてくれるんでしょう? 今日みたいに」

麻子「別に甘やかしてるつもりはないっ」

華「優しくしてくれてるだけですもんね」


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