芹沢あさひ「この雨がいつか止んだなら」
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36: ◆J2O9OeW68.[sage saga]
2020/01/04(土) 20:21:29.59 ID:hoMUvMIQo

 今日の午後から雨が降り始めるという天気予報は、そう考えてみるとなんだか妙に説得力があるように思えた。
 たとえばそれこそ神様のような誰かがいて、いたとして、その誰かが書いた台本の上ですべて決まっていたのでは、という気さえする。

 今日の天気も、私たちの行動も。傘も、死も、別れも、思い出も。

 私は彼のほうをみた。
 彼はわずかに首を傾けながら、薄く笑った。

「嫌だなあ、そんなお約束。今日くらい晴れてくれてもよかったのに」

 全くだと思った。だけど、私は言う。

「梅雨だから仕方ないっすよ。それに、わたしは運命的なものを感じるっす」
「運命? それはまたどうして」
「わたしの中で、プロデューサーといえば雨っすから」

 私の言葉に、しかし彼は何も答えなかった。
 その沈黙は肯定と否定のいずれでもないように思えて、だから私も同じように口を閉ざすしかなかった。




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