芹沢あさひ「この雨がいつか止んだなら」
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146: ◆J2O9OeW68.[sage saga]
2020/01/04(土) 21:28:46.96 ID:hoMUvMIQo

「結局、あれから何か変えたのか?」

 青色のクリアファイルを手に持ったまま、彼はそう言った。
 私は首を振る。

「全然。何も変える必要なかったっす」

 彼が話しているのは昨日の出来事についてだ。
 そもそもの話、あの人のお墓参りに行くのは、私が歌詞を書き終えるまでなしだということになっていた。
 なっていた、というより、私がそうお願いしていた。
 それを完成させるよりも先にあの人のもとを訪ねてしまったら、そこですべてが終わってしまいそうな気がしていたから、だからずっと先延ばしにしていた。

 一週間前、私がそれをようやっと書き切った旨を伝えると、彼はすぐにスケジュールの調整をしてくれた。
 色々と迷惑をかけてしまっただろうと思う。
 彼は勿論のこと、それ以外のみんなや、直接の面識はないような誰かにもきっと。
 そういった全ての先にあったのが、昨日という一日だった。




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