芹沢あさひ「この雨がいつか止んだなら」
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101: ◆J2O9OeW68.[sage saga]
2020/01/04(土) 21:02:11.89 ID:hoMUvMIQo

 一方で、やっぱりそうだったんだ、と私は思った。
 あの人は他の誰かに易々と笑顔を覗かせるような人では決してなかった。
 あくまで私の観測していた範囲では、という話だけれど、相手が彼だったとしてもそれは同様だったのだろう。
 そのことは想像に難くない。

 それに、楽しそうに話していたといっても、そのことが必ずしも表情として表れていたというわけではなかった。
 どこか不満そうな声色で彼の名前を挙げることや、心底どうでもよさそうな様子で彼をやり過ごしている光景のほうが、むしろ真っ先に思い出されるというくらいだ。
 だけど。

 あの人はそんな何気ない全部をどこかで楽しんでいるように、私の目からはそうみえていた。
 そういう話だ。




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