【モバマス】ダーツ好きな男とあるアイドルのお話
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5:名無しNIPPER[sage]
2020/01/02(木) 22:17:28.83 ID:ICzXr4+z0
「ずるいよねえ、あの時まで本当は左利きだってことを隠してたなんてさ」
「隠してたわけじゃない。リハビリが終わってなかったから左手より右手の方が確実だっただけだ」
「事故で夢を諦めた……最近知ったよ。世界大会も含めた将来を嘱望される学生だったんだってね」
「おかげで今じゃ知り合いの店を継いでこんな場末のダーツバーの雇われ店長だけどな」
「あの時互角だと思い込んでたアタシを完膚なきまでに負かせておいて?」
そう、あの夜周子を追い出すかという勝負でリハビリをしていた左手で勝負に挑み、周子を負かせて家を追い出した。
その後どうなったのかは知らなかった……知ろうともしなかったけど無事アイドルになれたようで安心したのも事実だ。
「……アイドル、楽しいようだな」
「そのことは感謝してる……けどまだ未練があるんだ。アイドルだけじゃなくてダーツの道も」
「だから番組を利用してまで俺と勝負を?」
「今度さ、事務所で一番を決めるライブバトルがあるんだ」
「ほう」
「けどこのまま未練を残してアイドルの道を進めるとは思えない。だからさ」
「真剣勝負がしたかったと」
ラスト一投。ここで決めればきっとこいつはアイドルとして駆け抜けていくだろう。
だがもしここで俺に勝てばそのうちアイドルを辞めてダーツの道へと行く可能性もある。
「愚問だな……」
あんなに楽しそうな瞳で雑誌に写る姿。中学生の時初めてダーツを教えた時のような瞳。そうだ、こいつは……
じゃあな、周子。いつかトップアイドルになってくれよ。
そう願いを込めた矢は寸分違わずダブルブルへと刺さり、周子の敗北を決定づけた。
「負けちゃった……か」
「これでお互い道は決まったな」
「うん、アタシ、アイドルとして頑張るよ」
「こっちも決めたさ」
「何を?」
「世界大会、目指してみるさ……だからお互いトップを取ろう」
「そう……だね。今度こそ負けないから」
半年後、アイルランドのダブリンで一人の男が注目を集めていた。
決勝にこそ残れなかったものの彗星のように現れた男は周囲から青い矢を投げることからブルースターと呼ばれ、参加者から注目を集めていた。
男は現地のマスコミの取材で、負けたくない奴がいたけど先に行かれてしまった。だけどいつかは優勝して追いついてやるとコメントを残したが
この大会の優勝者は誰も男を知らなかったことでちょっとした謎となっていた。
その頃日本ではとあるアイドルがシンデレラの座を得て、ガラスの靴を履いて表彰されていた。
取材では負けたくなかった人がいたからこそここまで頑張れた。次は師匠の番ですとコメントをし、師匠とはいったいとワイドショーを少し騒がせることとなった。
終わりです。
周子がダーツってどこで覚えたのかなってのと、モバマスだと家を追い出されてからスカウトされたという設定なので
デレステと合わせてダーツの師匠がいて、そこの家で居候してからアイドルになったってのは面白いかなと思って書いてみました
将来周子は和菓子屋を継ぐと思いますが、ダーツバーみたいな店を開くのもありかもなんて思ってます
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