高山紗代子「敗者復活のうた」
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7: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 09:04:31.31 ID:ck9R+qDf0
「私には……無理なんじゃないかな? だって私は特別な事なんかなんにももってないし、だから誰が見ても私は落選だったじゃない?」

 そう問いかけてくる自分を、これまでは必死の努力でまた押し込めてきた。

紗代子「そんなことない! 私はできる!! 私はやれる!!! あの子が……待ってるんだから」

 だが今夜の紗代子には、それもできなかった。
 それだけに最後の望みとして、一番憧れているアイドル事務所……765プロのオーディションを受け、そして不合格だったのだ。

 この日、高山紗代子はアイドルへの挑戦という道が途絶えた。
 望んでいた、願っていた未来へと羽ばたけない自分に絶望するしかなかった。

 結局、ほとんど一睡もできぬまま朝が来た。
 リビングで顔を合わせた弟が何かを言いかけるが、紗代子の顔色と表情を見て押し黙る。
 自身も一言も発せぬまま、紗代子は家を出た。
 正直、学校に行くような気分ではなかったが、かといって体調不良でもないのに学校を休むわけにはいかなかった。
 その時だ。


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